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04/05/2021

日本の航空市場の進化する構造

ルイス・レスリー シニアーアビエーションアナリスト IBA 鑑定士は、日本のアビエーション市場を探究するために、Insight IQフリートと評価インテリジェンスを使っています。

概要

  • 日本の就役航空機フリートの19%は、駐機または保管機である。
  • 日本の航空会社による航空機の利用率は、世界的な傾向と同様に、まだコロナ禍以前のレベルまで回復していない。
  • しかし、日本の航空市場は堅調で、今後数年間でアジア太平洋地域の成長機会に恵まれる。
  • 今後10年以内に大規模なフリートの置き換えが見込まれているが、Boeing 737 MAXの遅延により、その割合は不確実である。
  • 2020年から2021年3月までの流通市場取引ではセール・アンド・リースバックが9件記録され、大部分を占めた。
  • JOLCOの取引量は昨年減少したが、新しい航空機需要が回復するにつれて同取引量も回復すると予想される。

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駐機と保管機

世界の多くの国々と同様に、コロナの世界的流行は日本の航空市場のあらゆる側面に深刻な影響を及ぼしています。その結果として、以下のIBA InsightIQ Fleet データで示されているように、日本のフリートの約20%は未だに駐機または保管機のままです。この数字はここ数ヶ月で著しく改善されました。駐機の大部分はワイドボディ機で、 Boeing 777-200ER (12機) とBoeing 777-200 (11機) が最も多く、保管機に関してはAirbus A320-200(16機)が最も多く保管されています。

 

情報元:InsightIQ Fleets

JOLとJOLCOによる資金調達の需要

航空機ファイナンスの観点から、日本の航空市場はしばしば購入選択権付き日本型オペレーティングリース(JOLCO)と日本型オペレーティングリース(JOL)によって特徴付けられます。JOLCOの取引量は、航空業界がパンデミックにより悪影響を受けたため、昨年は減少しました。航空機の需要と取引量で減少が見られるため、税務ソリューションの需要も減少しています。しかし、新しい航空機需要がパンデミック後に増加し、Boeing 737 MAXプログラムが再開されたため、航空会社と日本の税務投資家はJOLとJOLCOによる資金調達をさらに求めるようになることが予想されます。

 

 

情報元:InsightIQ Fleets

 

注: 上のグラフに示されているデータには、特別目的事業体が含まれておらず、日本に拠点を置く事業体のみが所有する航空機を考慮しています。

地理的分布図では、現在オペレーターに貸し出されている日本の貸手が所有する航空機を示しています。航空機モデルトップ10は、日本の貸手が所有し、現在最もオペレーターに貸し出されている上位10機のモデルのみを示しています。

流通市場取引

情報元:InsightIQ

上のグラフは、航空会社が特別目的事業に行った取引(例:全日本空輸からANAホールディングス)を示しています。ここでのバイヤーは日本を拠点とするオペレーターであり、リース外売却、リースによる売却、リース開始、セールス・アンド・リースバック取引の項目に分けて示されています。

 

InsightIQ Fleetsは、パンデミックにより流通市場における取引が大幅に減少したことを示しています。2020年から2021年3月までの流通市場取引ではセール・アンド・リースバックが9件記録され、その大部分を占めました。日本航空は、東京センチュリー株式会社、三菱UFJリース & ファイナンス、ダイアモンドナイト株式会社とA350-900 3機のセール・アンド・リースバック取引を行いました。また、同社はSMBCアビエーション・キャピタル、特別目的事業体(SPV)、東京センチュリー株式会社とAirbus A321-200N全3機のセール・アンド・リースバック取引を行いました。ピーチは、SMBCアビエーションキャピタルと芙蓉総合リースとAirbus A320-200N2機のセール・アンド・リースバック取引を行いました。フジドリームエアラインズは、みずほ銀行とEmbraer E175STD1機のセール・アンド・リースバック取引を行いました。

 

フリートの置き換え

 

 

日本におけるフリートで現在就役中の航空機の内訳を見ると、これらの多くは今後10年間で置き換えられる可能性があることが分かります。Boeing 737-800は現在のフリートの29%を占めていますが、Boeing 737 MAXの遅延により、これらの航空機が置き換えられる割合は不透明です。ワイドボディに関しては、 Boeing 767-300ERもフリートで注目に値する割合を占めており(8%)、今後数年間でBoeing 787 に置き換えられる可能性があります。

利用と回復

上のグラフを見ると、日本における国際線および国内線の利用率がコロナ禍以前のレベルに戻っていないことが分かります。2021年3月現在、観光目的で日本を訪れる外国人に対する渡航制限は引き続き適用されており、日本人と永住者のみにフライトの利用が許可されています。その結果、上記のように国際線および国内線は依然として悪影響を受けています。このような状況にも関わらず、長期的に見て、日本の航空市場と業界全体が堅調であり、今後数年間のアジア太平洋地域での成長機会に適しているとIBAは考えています。

 

この記事で使用および表示されるすべてのデータは、IBA独自のデータプラットフォームIBAInsightIQから引用しています。

 

ご不明な点、意見、フィードバックがございましたら、お問い合わせください。Lewis Leslie

 

 

InsightIQは、スピード、正確性、視覚的なアナリティクス、直感的なナビゲーションを兼ね備えたワンストップのインテリジェンス・プラットフォームです。使いやすく、データが豊富なため情報が明確になります。その情報とIBAの信頼できる資産管理と評価方法とを結合することで、グローバルな航空業界の必須ツールとなっています。

 

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