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01/02/2021

2021年の主な航空業界のテーマ:どこにポジティブな兆候が見られるか

IBAの最高収益責任者であるStuart Hatcher博士は、2021年の見通しにおいて、2021年の路線、取引、資産価値、航空会社の倒産に関するIBAの意見を共有しています。

「2020年が終わった今、私たちは2021年以降にポジティブになれる兆候があるのかどうかに目を向けることができます。 長く時間のかかる予防接種プロセスが進行中で、これは前向きな進展ですが、現実的にいつになったら現在の市場における深刻な状況が緩和され始めると予測できるでしょうか?」

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昨年、需要の停滞について多く取り上げ、旅行の安全性に関するある程度の懸念によって多くの人々は国内旅行に収まりましたが、制限の撤廃により一部の人々が飛行機を利用し始めることが分かりました。

感染リスクの高い人々はまもなくワクチン接種に成功し、局所的なロックダウン措置が緩和されることになります。もちろん、ワクチンを接種することとワクチン接種の効果があることは2つのまったく異なる条件であるため、最初の緩和には時間がかかるでしょう。明らかに、政府に対する公衆安全と景気回復の問題に同時に対処できる解決策を見つけなければならないというプレッシャーが高まっています。感染リスクの高い人々を保護する必要がありますが、企業や雇用もリスクにさらされており、債務の増加は解決策とはならず、多くの業界における借入が増え続けるでしょう。

 

困難な市場に適応するために事業を大幅に変更している航空会社は、支援をより利用しやすいと感じるでしょう

2020年末のロックダウンによる疲労で市場は混乱していたのかもしれませんが、暫定的に市場の楽観的見解が浮上し始めました。しかし、航空会社の見通しが依然として良くないことは明らかです。さらに、新しいコロナ変異株が発生し、さらなる混乱を引き起こしています。

 

イースター航空では、通常の運航にある程度戻ることを期待して、航空会社の運行日程が書き直されています。しかし、まだ長い道のりが残っているため、そう簡単にはいきません。多くのオペレーターは2020年に倒産を回避することができました。パンデミックの混乱が手元の現金や一時解雇制度の限界を超えて長く続く場合、さらなる崩壊を防ぐために、債務を増やすか、悪循環を回避するための様々な戦略を見出すかの選択に直面します。困難な市場に適応するために事業を大幅に変更している航空会社は、支援がより受けやすくなり、危機から無傷で抜け出せば、はるかに強力な組織となります。一方、この市場に適応できない、誤った決定を下せない、何かを犠牲にできない航空会社は、回復の兆しとなる機会で最善の結果を出さなければいけません。

 

ポジティブな点として、石油需要が引き続き低迷しているため、生産者は管理可能な安定した価格を維持しなければならず、石油需要が期待どおりに回復しない場合は(航空会社の観点から)価格を改善する可能性があります。同様に、米国以外の航空会社の悩みの種である通貨に関しては、大きな動きは見せておらず、近年の負担の多くの引き金出会ったドル建てのコストを軽減しました。楽観主義者は、これがデフレを打ち消し、回復の兆候となるリフレ-ションの一歩であるという希望を見せています。

 

路線- 2020年に回復の兆候が見られた

航空路線の主題に戻り、IBAのInsightIQフライトモジュールのデータでは、2020年に回復の兆しが見られ、夏にかけて中国とロシアの国内運行が大幅に増加しましたが、冬に近くにつれてと再び減少したことを示しています。 航空便の復旧にもかかわらず、中国国内では依然として負荷率が大幅に低下していましたが、2021年のGDP予想が強いため、数値はすぐに回復することが予想されます局所的なロックダウン措置は迅速に行われるため、新しいコロナ変異株によって引き起こされる感染率の急上昇はすぐに封じ込められる可能性があります。

 

 

程度は低いものの、日本やベトナムなど、他のアジア国内市場においても回復兆候が見られます。12月までに、この地域における航空便運行数は2019年の80%を超えましたが、負荷率は非常に低迷していました。対照的に、ラテンアメリカでは、運行数が減少したままでしたが、負荷率がはるかに高水準でした。これは業務上とても効果的ですが、残念ながら、ウイルス感染に関しても同様に効果的になってしまいます。2021年に急激な変動が避けられないと仮定すると、キャパシティの増加は今年の課題になります。

 

貸手はどのようにして成長を最も効率的に促進できるか

貸手は、現在の市場の複雑さにも影響を受けません。しかし、より低い販売価格とより良いリース率要因を活用することを期待している投資レベルが利用可能であることを考慮すると、大部分の貸手が倒産することは予想されません。強力な流動性と成長への適切なアプローチを備えたバランスの取れたポートフォリオは、既存の取引条件の改善により確実に恩恵を受けることができます。「まともな」オペレーターによる新規納入の場合、資金調達の支援はまだこれからもかなり長く続くため、経済状況が困難になった場合に航空会社が有利になることを意味します。実際、金利が低いため、貸手がよりワイドボディ機のリスクを引き受けることに強気でない限り、まともなレベルでの長期リース期間を達成することは依然として困難です。貸手はここで妥協点を見出す可能性が高くなります。

 

2021年に増える取引タイプとは

エクイティ(株主資本)がまともなリターンを求めているため、2021年にはリース戻し条件付き売却やその他の取引活動の増加が見込まれます。IBAのInsightIQ Fleetsデータによると、ABS取引の崩壊とともに、EETC(Enhanced Equipment Trust Certificates)が昨年記録的な取引量に達しており、今年はさらに多くのABS活動が見込まれています。今年最初の価格はすでに設定されており、その航空機とオペレーターの組み合わせは多様です。市場が再び方向を変えず、倒産が大幅に増加すれば、さらに多くの取引が続きそうです。

 

 

今年の航空機の価値の行方

多くの人が基本価値の継続的な使用の必要性に疑問を持っています。これは、市場価値がかなり短期間で回復するという期待が高まっていることを示唆しています。市場が成長のベースラインに達するまで、「K」の底の真の位置を計算することは依然として課題となります。この状況が続く限り、市場価値は望ましさに応じて両方向に動き続けます。

 

私たちは、航空機がまだ有利な条件で使用され、市場の最も強い注目を集めるのに十分な将来の寿命があることを見込んでいます。以前の需要低迷と同様に、航空機のサイズと年齢は依然として市場予測の中心にあります。 投資家が少ない運行と石油需要から効率的に利益を得ることができる資産を探しているので、より安く、小さな資産は支援材料になる傾向があります。これが、2021年の見通しですか? はい。ある程度はこのような見通しになります。ただし、一部の市場では適切な規模の運行が復旧しているにもかわらず、フリートの再配備プロセスまでに至っているとは確信していません。

 

したがって、2021年は減損が広範囲で予測されます。

 

フリート構造の将来

資金不足(いくつか挙げられる)の航空会社は、より安価で古い航空機を選択すると予想されます。しかし、フリートの再配備が徐々に進行していることは認識しています。OEM、政府、貸手、投資家は引き続きその方向に向かっていますが、それがすべての人に適しているわけではありません。新しい資産は、約束されるリターンに対して高価なオプションであるため、市場、航空会社、投資家のすべてにとって最良のシナリオではありません。需要と供給の観点では、すべてのものが大幅に供給過剰になっています。しかし、この溝の深さがあるにもかかわらず、古いワイドボディ機が最悪の影響を受け、最新世代のナローボディ機が最終的に通常の需要に戻ることは明らかです。InsightIQ Fleetデータに示されているように、現在の保管レベルと可用性は夏の大幅な落ち込み以来不安定ですが、春の峠を乗り越えると、保管が改善されることが予想されます。

 

 

貨物船の需要は続くのか

GDPの回復率が比較的低いですが、貨物船とこの変換は今年も引き続き注目を集めます。これは、乗客用ワイドボディ機が元の状態に戻るまでに時間がかかり、eコマースの成長が需要を生み出したためです。通常の767および737-800の変換とは別に、往復の条件が理にかなっている場合は、多くのA330が運行を開始し、777-300ERも良いタイミングで運行し始めます。

 

ある程度の成長と正常な回復に向かっているポジティブな兆しが見られる

感染リスクの高い人々がウイルスから容認できるほど安全に保護され、国が強力な政府主導の追跡、検疫プログラムに準拠して、制限が緩和されることを想定すると、 北半球の夏には、2020年の数値と比較して+ 50%の路線が復旧するはずです。ただし、どのようなコロナ対策が行われるかに関係なく、旅行者は主にその地域内に留まります。また、出張需要は第3四半期まで落ち込むことが予想されます路線の50%の復旧は素晴らしく聞こえるかもしれませんが、航空業界を1年前の半分の規模に戻すだけです。当然のことながら、キャパシティは予想どおり約30%増加しますが、それでも多くの利用可能な航空機が使用されないままとなります。

 

ロックダウンに耐えている多くの人々は、絶望的を目の前に2021年を迎えました。しかし、債務の増加、失業率の上昇、新しい変異種の急増の不確実性に注意深く目を向けると、ある程度の成長と正常な回復に向けたポジティブな兆しが見られます。

 

ご不明な点、意見、フィードバックがございましたら、お問い合わせください。Stuart Hatcher

 

 

InsightIQは、スピード、正確性、視覚的なアナリティクス、直感的なナビゲーションを兼ね備えたワンストップのインテリジェンス・プラットフォームです。使いやすく、データが豊富なため情報が明確になります。その情報とIBAの信頼できる資産管理と評価方法とを結合することで、グローバルな航空業界の必須ツールとなっています。

 

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筆者

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